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コンボリューショナル(畳み込み)ニューラルネットワークConvolutional Neural Network(CNN)の誤差逆伝播法

[mathjax]従来のニューラルネットワークの誤差逆伝播法に関してはすでに解説したので、今回はディープラーニングでよく用いられるコンボリューショナル(畳み込み)ニューラルネットワークの誤差逆伝播法(Back Propagation)について解説する。

コンボリューショナルニューラルネットワークの構造を解説した投稿の図2を念頭に置きながら、以下の式の意味を理解して頂きたい。

先ず、\(p-1\)番目の層は2次元配列\((i,j)\)のユニットで構成された、出力\(X_{i j}^{p-1}\)のコンボリューション層であり、\(p\)番目の層はチャネル数を表すk座標にe枚の特徴マップを持つ層とする。コンボリューションのカーネルサイズをm×m、カーネルの2次元座標を\((a,b)\)、結合荷重を\(w_{abk}\)とすると、\(p\)番目の層への入力\({Y}_{ijk}^{p}\)と出力\({X}_{ijk}^{p}\)は式(1)、(2)で表される。

\[\begin{eqnarray*}
{Y}_{ijk}^{p} &=& \sum _{ a=0 }^{ m-1 }{ \sum _{ b=0 }^{ m-1 }{ {w}_{abk} {X}_{ (i+a)(j+b) }^{p-1}} }\qquad(1)\\
\\X_{ijk}^{p} &=& f(Y_{ijk}^{p}) \qquad \qquad \qquad (2)
\end{eqnarray*}\] ここで\(k\)は特徴マップの枚数のインデックスであるので\(0~e-1\)の値をとる。fは非線形活性化関数を表している。\(p-1\)番目の層がd枚の特徴マップで構成される場合は、式(1)は次式のようになる。

\[{Y}_{ijk}^{p}=\sum _{ c=0 }^{ d-1 }\sum _{ a=0 }^{ m-1 }{ \sum _{ b=0 }^{ m-1 }{ {w}_{abck} { X }_{ (i+a)(j+b)c}^{p-1} } }\qquad(3)\]ここで\(c\)は\(p-1\)番目の層の特徴マップのインデックスを表す。式(3)は式(1)と同様の形をしているので、以下では簡単のために\(d=1\)の場合である式(1)を例として話を進める。

【結合荷重の更新方法】

誤差逆伝播法では各層の出力の誤差を\(E\)とすると、1回の学習における結合荷重の微小更新量\(\Delta {w}_{abk}\)は学習率\(\eta\)を用いて次式のように設定される。
\[\Delta {w}_{abk} = -\eta\frac {\partial E}{ \partial {w}_{abk}} \qquad (4) \] コンボリューションを行う層のユニット数がN×Nで構成されているとすると、コンボリューションのカーネルが移動できるユニット数は(N-m+1)×(N-m+1)となる。これら全てが結合荷重\({w}_{abk}\)で重み付けされているので、式(4)はChain rule(連鎖法則)により次のように変形される。
\[\begin{eqnarray*}
\Delta {w}_{abk} &=& -\eta  \frac { \partial E }{ \partial {X}_{ijk}^{p}} \frac { \partial {X}_{ijk}^{p}}{ \partial {Y}_{ijk}^{p}} \frac { \partial {Y}_{ijk}^{p} }{ \partial {w}_{abk}} \qquad(5)\\
\\&=& -\eta  \frac { \partial \sum _{ i=0 }^{ N-m }{\sum _{ j=0 }^{ N-m }{E }}}{ \partial {X}_{ijk}^{p}} \frac { \partial {X}_{ijk}^{p}}{ \partial {Y}_{ijk}^{p}} \frac { \partial {Y}_{ijk}^{p} }{ \partial {w}_{abk}} \qquad(6)\\
\\&=& -\eta \sum _{ i=0 }^{ N-m }{ \sum _{ j=0 }^{ N-m }{ \frac { \partial E }{ \partial {X}_{ijk}^{p}} \frac { \partial {X}_{ijk}^{p}}{ \partial {Y}_{ijk}^{p}} \frac { \partial {Y}_{ijk}^{p} }{ \partial {w}_{abk}}}} \qquad(7)\\
\\ &=& -\eta \sum _{i=0}^{N-m}{ \sum _{ j=0 }^{ N-m }{ \frac { \partial E }{ \partial {X}_{ijk}^{p}} \frac { \partial \left( f\left( {Y}_{ijk}^{p} \right)\right)}{ \partial {Y}_{ijk}^{p}} \cdot {X}_{ (i+a)(j+b)}^{p-1}}} \qquad(8) \\
\\ &=& -\eta \sum _{i=0}^{N-m}{ \sum _{ j=0 }^{ N-m }{ \frac { \partial E }{ \partial {X}_{ijk}^{p}} f^{ \prime }\left( {Y}_{ijk}^{p} \right) \cdot {X}_{ (i+a)(j+b)}^{p-1}}} \qquad(9)
\end{eqnarray*}\]ここでは式(1)を偏微分して得られる次式(10)を用いた。式(1)にあるサメーションが外れているのは、特定の\(a,b\)を持つ\({w}_{abk}\)で微分しているので、それ例外の\(a,b\)を持つ項の微分がゼロとなるからである。
\[X_{(i+a)(j+b)}^{p-1}=\frac { \partial {Y}_{ijk}^{p} }{ \partial {w}_{abk} } \qquad(10)\]
式(9)の\(X_{(i+a)(j+b)}^{p-1}\)はフォワードプロパゲーションの時に得られる値であり、\(f^{ \prime }\left( {Y}_{ijk}^{p} \right)\)は微分した活性化関数に入力値を代入すれば得られる値で、共に既知である。p層への入力値\({X}_{ijk}^{p}\)による微分誤差\(\partial E/\partial {X}_{ijk}^{p}\)は、出力層の出力と教師画像との二乗誤差の微分値を最初の値とし、それを前の層に順番に逆伝播して利用するものである。これを前の層に順番に逆伝播させることで順次取得できる。\(\partial E/\partial {X}_{ijk}^{p}\)を\({ \delta }_{ i,j }^{ p }\)と記載すると、式(4)は次式となり、荷重結合の微小更新量を得ることができる。

\[\Delta {w}_{abk} = -\eta\sum _{i=0}^{N-m}{ \sum _{ j=0 }^{ N-m } {{ \delta }_{ ij }^{ p } f^{ \prime }\left( {Y}_{ijk}^{p} \right) \cdot {X}_{ (i+a)(j+b)}^{p-1}}} \qquad(11)\]

ここで注意したい点がある。それはコンボリューション処理を経由してp層からp-1層へ\(\partial E/\partial {X}_{ijk}^{p}\) (=\({ \delta }_{ i,j }^{ p }\))を逆伝播する方法である。少しわかりにくい点があるので、以下で解説する。

【コンボリューション層での誤差逆伝播法】

p番目のコンボリューション層はe枚の特徴マップで構成されているので、p-1番目の層の微分誤差は次式のように展開される。
\[\begin{eqnarray*}
\frac { \partial E }{ \partial {X}_{ij}^{p-1}} &=& \sum _{c=0} ^{e-1} \sum _{a=0} ^{m-1}{ \sum _{b=0}^{m-1}{ \frac {\partial E}{\partial {X}_{(i-a)(j-b)c}^{p} } \frac { \partial {X}_{(i-a)(j-b)c}^{p} }{ \partial {Y}_{(i-a)(j-b)c}^{p}} \frac { \partial {Y}_{(i-a)(j-b)c}^{p} }{ \partial {X}_{ij}^{p-1}} }} \quad(12) \\
\\ &=& \sum _{c=0} ^{e-1} \sum _{a=0} ^{m-1}{ \sum _{b=0}^{m-1}{ \frac {\partial E}{\partial {X}_{(i-a)(j-b)c}^{p} } f^{ \prime }\left( {Y}_{(i-a)(j-b)c}^{p} \right) \cdot {w}_{abc}}} \quad(13)
\end{eqnarray*}\] ここでは式(2)と、式(1)を\(X\)で偏微分して得られる式(11)を用いた。
\[\frac{\partial{Y}_{(i-a)(j-b)c}^{p}}{\partial{X}_{ij}^{p-1}} = w_{abc} \qquad(14)\]p番目の層の\(Y\)や\(X\)の添え字が\(i-a\)や\(j-b\)と表記されているが、式(1)におけるp-1番目の層の\(X\)の添え字\(i+a\)や\(j+b\)と符号が逆になっている。これはフォワードプロパゲーションの畳み込み演算において、p-1番目の層の座標\((i+a,j+b)\)がp番目の層の\((i,j)\)に対応しているので、p-1番目の層の座標\((i,j)\)はp番目の層の\((i-a,j-b)\)に対応するからである(詳しい説明を「コンボリューション層の誤差逆伝播法の図解説」で行っているので、参考にしてください)。

式(10)の\(\partial E/\partial {X}_{(i-a)(j-b)c}^{p}\)はp番目の層の微分誤差であり既知であるので、前の層に逆伝播される\(\partial E/\partial {X}_{ijk}^{p-1}\)が求められる。

コンボリューション層の誤差逆伝播式は式(12)などに表されるように、サメーション\(\sum\)を複数用いるので、何をしているのか分かりにくいかもしれない。しかし、ここで行っている誤差逆伝播は従来のニューラルネットワークの誤差逆伝播と本質的に同じである。結合荷重で結ばれているユニット間で誤差を伝播しているだけである。ただコンボリューション層では一つの結合荷重が複数のユニット間を結合しているので、それらの誤差を積算しなければならない。そのためにサメーション\(\sum\)が複数個使われることになる。

コンボリューショナルニューラルネットワークでは、マックスプーリング層が用いられることが多いが、この層は単にコンボリューション層のユニットを一定サイズのブロックに区分し、各ブロック内の最大値を持つユニットを抽出する役割を果たす。従って、誤差逆伝播ではプーリング層のユニットをコンボリューション層の各ブロックの最大値を持つユニットに結びつけるだけでよい。

以上のようにして、コンボリューショナルニューラルネットワークに関する誤差逆伝播を計算することができる。

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ニューラルネットワークとディープラーニングの性能の比較

前の投稿ではニューラルネットワークとディープラーニングの構造を比較した。そこでは手書き数字画像(幅28画素*高さ28画素の白黒画像)を認識する場合を取り上げた。今回はその構造の違いにより性能がどのように異なるのかを説明する。

まず、前の投稿で示したニューラルネットワークとディープラーニングの画像認識プログラムをC++言語で作成した。機械学習の理論に基づいて、全てのプログラムを自作した。手書きの数字画像はMNISTのデータベースを使用した。ここには7万画像が含まれているので、トレーニングに6万画像、性能テストに残りの1万画像を使った。トレーニングに使った画像は性能テストには使用しないことが、正しく性能を評価する上で重要である。

図1にニューラルネットワーク(MLP:多層パーセプトロン)の場合のトレーニング回数(Training Epochs)と性能テストの正解率(Correct Rate)の関係を示す。トレーニングにおいては、6万枚の画像からランダムに画像を選び、画像1枚を入力する毎にバックプロパゲーションにて結合荷重を更新した。

図1 多層パーセプトロンの学習曲線

トレーニングパラメータとして学習率ETA=0.01 とした。図中の←10、←100、←500、←1000などはトレーニング回数を表す。認識するのは数字0~9の10文字なので、全くデタラメに回答した場合の正解率は10%となるが、わずか10回学習するだけで、正解率が24%になり、100回で45.2%、1000回で84.6%と急速に向上する。このように正解率が急速に向上するのは、バックプロパゲーションによる学習(結合荷重の更新)が効果的になされていることを示している。

トレーニング1万回では91.3%、3万回で95.4%となり、その後、正解率は横這いとなる。8万回の時に最高値96.5%となっているが、約6万回以降、トレーニング毎の結合荷重の更新で正解率が微小に振動しているので、その影響で最高値が出たと考えられる。トレーニングに使える画像が6万枚であるので、トレーニング回数も6万回程度で飽和するのはもっともなことだと考えられる。トレーニングに使用した画像が似たような画像ばかりであれば、もっと少ないトレーニング回数で正解率が飽和することもあり得る。

次にディープラーニング(CNN:コンボリューショナルニューラルネットワーク)による手書き数字の認識正解率とトレーニング回数のグラフを図2に示す。用いたデータは上記と同じMNISTデータである。

図2 CNNの学習曲線

ディープラーニングのトレーニングパラメータとして、学習率ETA=0.01、バッチサイズ10、Momentum=0.1、L2=0.001とした。ドロップアウトは用いていない。バッチサイズ10とは10枚の画像で1回結合荷重を更新することを意味する。

図2でも最初のトレーニングで急速に正解率が向上しており、バックプロパゲーションによる学習が適切に行われていることが分かる。1万回程度のトレーニングで正解率は横這いとなるが、それ以降ほんのわずかずつ向上し、6万回では最高値98.8%の正解率を出した。しかし、このあたりではMLPによるトレーニングと同様に、結合荷重の更新毎に正解率は微小に振動している。また、パラメータの値を変えたり、あるいはCNNの層構造やカーネルのサイズを変えると、正解率も変わるので、いろいろ工夫することで、さらに良い正解率を達成することも十分可能である。

以上のように、従来のニューラルネットワークと最近注目されているディープラーニングの基本的な構造でその性能を比較した。画像認識の性能はそれぞれ96.5%と98.8%となり、2%の差が出た。100%に近いレベルにおいて2%の差が出るということは結構な性能向上と言ってよいであろう。私もこのMNISTのデータを目視で少しだけ認識したが、実は判断のつかない画像が散見された。図3はMNISTデータの一例だが、数字が何なのかを認識するのは簡単ではない。

図3 判読困難なMNISTの数字

図3の各数字の右上と右下に小さい数字が記入されているが、右上が正解で右下が間違いの例である。人間でも判断できない数字も少なくない。このような判別が難しい手書き数字の認識において正解率が98.8%あれば、まあま優秀と言えるのではないだろうか。画像認識プログラムは学習データだけを基準として判断するので、人間のような思い込みや自分の癖などが反映されない。よって、人間より客観的な判断ができると言える。

このような画像認識が可能となったディープラーニングは今後益々様々な用途に利用されていくことは間違いなさそうだ。

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ニューラルネットワークとディープラーニングの構造の比較

ディープラーニングはニューラルネットワークの一形態であり、その層数を深くした構造を持つが、単に層数を深くしただけではなく、入力画像の形状を捉えるための工夫が施されている。今回はその構造について説明する。

まず、画像を認識する従来の基本的なニューラルネットワークの構造を図1に示す。これは多層パーセプトロンと呼ばれるニューラルネットワークで、この例では入力層1層、中間層であるHidden層1層、出力層1層の3層構造を有している。

図1 多層パーセプトロンの構造

Input層には写真などの2次元の画像が用いられるが、図1に示したように、2次元の画像は1次元に変換されて、入力される。この2次元から1次元への変換は、2次元の各行を単純に1行につないで並べるだけの変換である。

手書き数字(0~9)画像の代表的なデータベースであるMNISTを用いて画像認識を行う場合を例にとれば、Input層は手書き数字の画像サイズ28画素×28画素=784ユニットとなる。Hidden層には100ユニット程度が用いられるケースが多い。最後のOutput層は認識する数字の種類0~9の数と同じになるので、10ユニットとなる。つまり、入力画像が「0」であれば出力層の上から1番目のユニットの出力値が最大となり、入力画像が「1」であれば上から2番目のユニットの出力値が最大、「2」は3番目、「3」は4番目、、、「9」は10番目のユニットの出力が最大となるように機械学習させる。

ニューラルネットワークを作成する上での重要なポイントは結合荷重の設定である。図1の下の方に具体的な結合荷重の数を示した。W10は入力層とHidden層の間、W21は出力層とHidden層の間の結合荷重である。添え字wは荷重パラメータであり、添え字bはバイアスパラメータを示す。初期値にはランダム値が設定される。

このように従来のニューラルネットワークでは、図1のようなシンプルな層構造を持っている。

これに対し、ディープラーニングで画像を認識させる場合には、図2のような構造を取る。

図3 ディープラーニングの構造例

ここでは画像認識で最も高い性能を上げているコンボリューショナルニューラルネットワークで手書き数字画像を認識する場合の一例を示した。図2に上の方に青い枠で囲まれた部分がディープラーニングの構成層を示し、その下の緑色の枠で囲まれた部分が演算に用いるフィルターである。その下に層を構成するユニットの模式図が描かれており、そのユニット数が紫色の下線を持つ数字で示されている。一番下のオレンジ色で囲まれた部分が各層間の結合荷重の構成を示している。

これらを具体的に説明する。図2の上の方で青い枠に囲まれている各層は、Input層、特徴マップ層Fmap1、MaxPoolingされた層S1、特徴マップ層Fmap2、全結合層HiddenF3、Output層で構成されている。

Input層には2次元画像28*28画素をそのまま使う。特徴マップ層Fmap1の1ユニットはInput層に5*5画素の畳み込みカーネルConv-karnelフィルタを掛けることで算出される。Input層28*28の画像の上に橙色の正方形で示されているカーネル領域を左から右に順番に移動させて、Fmap1の全てのユニットの値を算出する。Fmap1は4枚で構成されているので、この操作を4回繰り返して、4枚のFmap1を算出する。同じ操作を4回繰り返して4枚のFmap1を生成するが、演算に用いる結合荷重が異なるので、4枚のFmap1は全て異なる値を持つ。結合荷重の初期値はランダムに設定される。機械学習の過程では教師データの値をフィードバックするバックプロパゲーションにより結合荷重の値が更新される。

このようにして生成されたFmap1層に2*2ユニットのMaxPooling処理をして、S1層を算出する。2*2ユニットのMaxPooling処理とは、縦2横2のユニットの中の最大値をS1層に代入する処理のことである。そのため、S1層のサイズはFmap1の縦横の半分になり、面積としては1/4になる。MaxPooling処理では、特徴マップの枚数に変化はないので、Fmap1が4枚なら、S1も4枚となる。

特徴マップFmap2はS1に対し、5*5*4fのConv-karnelで畳み込み処理をして算出される。ここで5*5*4fは5*5ユニット×特徴マップ4枚の畳み込み演算のことであり、4枚で構成されているS1の同じ位置の5*5ユニットに対して畳み込み処理を行っている。つまり3次元ユニット5*5*4fの畳み込み演算を行っている。ここでFmap2は特徴マップとして8枚を持つ構成にしたので、8枚分同じ処理を繰り返す。ここでも結合荷重の値が異なるので、異なる値を持つFmap2が8枚作製されることになる。

S2はS1とまったく同様なMaxPooling処理である。

このような処理の後、従来のニューラルネットワークのHidden層と同様な全結合層HiddenF3(100ユニット)を設け、これにS2の全ユニットを結合する。この全結合層にHiddenという名前を付けたのは従来のニューラルネットワークと同様の層であるためであり、この層だけがHiddenn(隠れた層)という訳ではない。最後のOutput層と全結合層を全て結合する。

各層をつなぐ結合荷重を図2の下の方に橙色で囲んだW10、W21、W32、W43などで示した。ここで添え字のfは特徴マップ(feature map)の枚数を意味している。

図1のニューラルネットワークと図2のディープラーニングを比較するとよく分かるが、ディープラーニングは従来のニューラルネットワークのInput層とHidden層の間に、畳み込み演算とMaxPooling処理をする数層を挟んだ構造をしている事に大きな特徴がある。

これらの構造の差により、画像認識の性能がどの程度変わるのかを次に解説する。